甘くて優しい世界

相変わらず急なデート。


最近の私は情緒不安定になりがちで、

職場で「寂しいです」とか言われるたび、

私だって寂しいよーと心の中で叫んでいた。

彼にも、「なんか切ないから好きって言って」

なんて唐突にお願いしたりしてた。


彼は私の不安をちゃんと察してくれてて、

会った時、安定の「チェンジで(ニヤリ)」

を言った後、いつもは更に意地悪するけど、

今回は「嘘だよ。元気出せよ。」って

チュウとギュウをしてくれた。


今回はヘンな中華屋さんに行って(笑)

そこには面白いおばちゃんがいて、

やたらと私を構ってくれた。

おばちゃんに薦められるまま、

美味しくて濃いレモンサワーを

沢山飲んでフラフラになった。


「くるりんの毒のない世界に安心する。

子供みたいで心底アホだなって

しょっちゅう思うけど、

くるりんがありがとうって喜ぶのも

俺を好きって言うのも、全部純粋で裏がなくて

癒されるよ。」


これってすごい褒められたかも。


彼の世界は毒だらけで、いつも相手の裏を

考えてるらしい。

彼はいつも戦っていて、勝っている。


ノー天気な箱入りキャラの私は、

そういうの向いてないらしい。

人の上に立ってグイグイやるより、

マイペースでスモールビジネスしてるほうが

似合ってるって。

その通りだ。


沢山話して、沢山飲んで、手を繋いで

フラフラ歩いた。

彼は暗がりで立ち止まるたび、

私の腰をぎゅーって抱き寄せて

たくさんキスした。

ニンニク臭くてごめんなさい(笑)


私は嬉しくて照れちゃって、キスのたび

「もっと」「もう一回」って

離れたくなかった。


キャリアを手放したら、何も無い私。

そう思い込んでいたのは私だけ。

彼は、特に何とも思ってなかったみたい。

しばらくの自由時間を楽しみにしてくれてる。


手放すって決めたら、その後は優しくて甘い

とろけちゃう世界が待っていた。

嘘みたいだけど、ホント。


このままとろけて、彼に吸い込まれたい。