疑ってケンカして不完全燃焼
見てはいけないものを見てしまった。
とあるアウトレットで、とあるブランドの
ハンドバッグを購入したらしい。
それだけ。
でも私はとっても悲しかった。
以前、二人で行った場所。
どこか車で遠出したいってリクエストしたら
連れて行ってくれたところ。
大好きな高速道路に乗って。
それからしばらくして、私の会社の後輩に
ものすごい巨乳がいるっていうバカ話の時。
「その子をさ、アウトレットに連れて行って、
好きなもの買っていいよーって言ったら
一回くらいヤらせてくれるかな?」
本当にいつものどうでもいい話。
彼は忘れてるかもしれない。
そのブランドのレシートを発見した時、
ドライブデートの事と、そのどうでもいい話が
ピタっとリンクしてしまった。
それを発見してから2時間くらい、
言うか言わないか迷った。
でも、私はすぐに気持ちが顔に出てしまう。
最初はちょこちょこちょっかいを出す彼に
上手に対応してるつもりだった。
でも彼はやっぱり鋭い。
「なんだよ。言いたい事あるなら言えよ。」
ほらね。すでにケンカの予兆。
「○○の領収証を見つけて、悲しい気持ちになった」
どうやらそれは、彼の親友へのお誕生日プレゼント
らしかった。
自分に買って気に入ったから、同じのを
プレゼントしたんだって(ペアルック…)
今度その親友に会ったら見せてもらえとか、
仮にオンナに買った怪しいプレゼントなら、
くるりんの目につくところに堂々とレシート
なんて放置しないとか、くるりんのプレゼント
のほうがもっとずっと高いから安心しろとか。
そうじゃないの…
私は本当にケンカとか言い争いとか苦手で、
すごい剣幕で言い訳する彼にびっくりして
私の方が動揺してしまって。
「ハンドバッグ」って書いてあったから、
女の人に買ったんだっていう私の勝手な
妄想は一応晴れたわけで。
その時は何が悲しかったのか、
ちゃんと言えなかった。
誰とアウトレット行ったのか、
それが気になるくせに聞けなかった。
せっかくのデートに喧嘩もやだなって。
一生懸命、ふぐ雑炊作ってくれた。
翌朝、私の家の近所まで車で送ってくれて、
大好きロイホに連れて行ってくれた。
…
女の人と行ったのかな。
一人で行くなんて、あんまり想像できない。
彼の車で。高速道路に乗って。
もうすぐバレンタインデー。
また、「食べないから、欲しいの持って帰って
いいよ」って言うんだろうな。
山盛りの高そうなチョコの箱。
去年のバレンタインデーは、
「今はくるりんに一途だけど、くるりんが
油断したら、明日はどうなるかわからない」
っていじわるをニヤリ。
彼と付き合う限り、こういうヤキモチは
つきまとう。
彼の周りはいつも華やか。
私の知らない世界。
ロイホにはまだ大学生くらいの
可愛い女の子が働いていた。
「肌もピチピチだしな。若い子がいいな。」
いつもならちょっとのヤキモチで終わり。
でも今回は悲しかった。
私は大人なのに子供っぽいじゃん。
若い子も子供っぽいでしょ。同じように
子供っぽくて面倒くさいなら、確かにピチピチ
の若い女の子のほうがいいよね。
心底そう思った。
自由に会えなくて、風邪引いて咳もして、
黒いワンピース着てお葬式みたい。
彼のために綺麗になる元気もない。
このモヤモヤはどうすれはいいんだろう。