傷あと

とても目立つ傷あとができた。


いつもは隠していられるけど、

水着は難しいぞ。

夏のワンピースも、危ないな。

温泉も、大浴場はちょっと。


傷あとは、完全には消えなそう。

毎日お風呂上がりにその傷を見て、ため息。

本当に悲しい。


彼にも見えないように、隠していた。

でも彼が、見せてって言った。


彼に、本当の私を見てほしいと思っている。

けど、見た目が気持ち悪すぎて、

ドン引きされたらどうしようって迷った。

(→発想が小学生)


見せる時なんて、緊張がマックス。

気持ち悪いって言うかな…


「おお、ひどいな。だんだん薄くなるよ」


それだけだった。

その後は何事もなかったみたい。

いつもと変わらず、撫でてくれてた。


撫でられると、気持ちいいのと、

恥ずかしいのと、悲しいのと、

色んな気持ちが湧いた。


受け入れてもらえたことの安心と、

でもやっぱり傷跡があることの悲しさと。


そろそろ彼のぎゅうが恋しい。

時々締められすぎて、

ホントに息が苦しくなるんだけど(笑)、

それもまた(≧∀≦)


彼にだけ見せてしまった。

目立たなくなるといいな…

14時41分

その後、これまた有名なお店でお茶をした。


お店の中は混んでいて、

小さなソファ席へ。

彼が大きすぎて、ソファが足りない(笑)

ソファに一生懸命身体を押し込んでる感じが

可愛くて笑ってしまいそうで、

すごく真面目に真剣な話してるのに、

途中途中、危なかった(≧∀≦)


彼の人生への考え方は、これまでの経験の証。
いつから始めても遅すぎることはないよって、
コツコツ積み上げたらいいんだよって、
沁みてしまった。


まったく、笑ったり泣いたり、

感情が忙しい(笑)


バイバイするまであと20分って彼が言う。


「今、すごく寂しくなっちゃった」
って白状したら、
「顔に出てる。分かり易過ぎる」
ってしかめ面…


その後、駅の改札口で彼を見送った。

お互い、見えなくなるまで手を振った。



だけど。
もう少しだけ一緒にいたくて、どうしても。


彼のいるホームまで階段を駆け上がった。
すぐに、彼の乗る電車が到着してしまう。
そしたらもう、見つけられない。
キョロキョロ探したけど、わからない。
気持ちばっかり焦った。


やっと、ホームに立ってる彼を見つけた。

ホッとして嬉しくなって走り寄ったけど、
彼はもう、次の会議に心を馳せていたかな。


寂しいもありがとうも、色々ぐるぐる回転して、
何て言えばいいかわからない。

息を切らして、慌てて階段登ったのに、

何も言えないんだよなー・・・(笑)


彼の乗る電車がホームに滑り込んで来て、
彼を見上げたら、抱きしめてくれた。


今度こそ、本当に。

彼が乗った電車のドアが閉まって、

バイバイって手を振った。