side B

メールを送信した後。


なぜか、すごくさっぱりしちゃって、
「あーもう諦めよ」なんて声に出して、

歌を歌って、踊っていた(笑)


そしたらすぐに。

びっくりするくらいすぐに返事が届いた。


不意打ちで、泣きそうになった。

彼らしい、短くて厳しくて優しいメール。

これ以上傷つくのが嫌で、
固く栓をしてた好きがどっと溢れてしまった。


彼が私を好きじゃないことを悲しんでいた。

だけど、私も彼への好きを閉じていた。
彼が私を傷つけたんじゃなくて、
私が彼と私を傷つけていたのかもしれない。


この時の気持ちは上手く言えない。

早く、彼に謝ろうって思った。


せめて1年前にこの考えに至ったなら、
こんなにこじれずに済んだのかもしれない。
けど、全てがベストのタイミングで起こるなら、
今、この考えに至ったことにも意味がある。


彼はものすごく心強い味方だったはずなのに、
彼はいつでも力になってくれたはずなのに、

私が、彼は味方じゃないって決めてたみたい。

そしたら船は、そっちに舵を切るよね。

本当にごめんなさい。


不思議な気持ちだった。
やっと彼に心を開いて打ち明けることができた。

人生で起きることの全ては意味があるって、

ホントにそうだった。


そしたらまたすぐ。

今度は驚きのLINE。


「メール読みました。
◯日、会う予定で準備しておいて下さい」


そんな言い回しも初めてで、どうしたらいいの。

サッパリ諦めるって歌まで歌っていた。


長い間ずーっと会いたかったのに、
いざホントに会うって、どうしよう。

心臓がバクバクして、会うのは先なのに、

すでに、すごく緊張している。


大丈夫かな…

彼、怒ってるよね。

エンドロール

もうすぐ彼のお誕生日。


彼は全然私と会う気がなさそうだった。
何で俺が会わなきゃいけないんだよって、
好きな人に言われるのはきついな・・・


ずっと彼に話せずにいたことがある。
本当は会って話したかったけど、
会えないなら仕方ない。
長くなりそうだから、メールにした。


喉の奥にささった魚の骨みたいに痛い。
彼が見てた私とは違う、別の私。
私のキャリアはぽっきり折れてしまった。


彼とやり直したかった時は、
自分が恥ずかしくて隠していた。
私がもっとバリバリ仕事して、
もっとキラキラ生きていたら、
彼はずっと好きでいてくれたかな、
今は何も持っていないし、暗いもん(笑)


それを認めるのが嫌で仕方なくて、
仕事上のメリットなんて関係なく、
私を好きで会いたいって思ってほしくて、
ずっと、ずっともがいていた。


あーーーーー、超苦しかった(笑)



返事は来ないかも、来るとしても、
ずっと先かもしれないなって思いながら、
送信ボタンを押した。


ちょっと指が、震えちゃったし。