Kick

彼と別れて半年くらい。


ずっと音沙汰もなく過ごしていたけど、
最近は事務連絡を少々。
あと、ついつい私のどうでもいいですね話。


彼は私に、「素直に接しろ」と。


別れたのに、難しくない?


素直に接したら、彼はドン引くのでは(笑)


だけど、そう思ってるのは私だけで、
彼は相変わらずの包容力かもしれない。


とはいえ、LINEで素直は難しくない?


彼は、上手に短い一言に凝縮するけど、

私は、吹き出しがどんどん長くなる…


焼肉屋さんで、彼が私の顔を覗き込んで、
ふんふんって頷いてくれたなら、

私も彼の目を見て、
それなら素直に話せそう。


渋い声で、大きな身体で、
私の横にいてくれたら、
しかめっ面でこっちを見てくれてたら。


ブレーキ踏みながらアクセルも踏んでいる。

自分でわざわざ面倒な進み方を選んでる。

アクセル全開ってちょっと怖いから。


だけど、その進み方は面倒で、

もういっそ、開いちゃう?


素直になりたい。
距離も越えて。

October 2020

9月の終わり。


彼にとって、私とのことは、
会いたければ会って、その気がなくなれば自然に
会わなくなるもので、付き合ってる状態かどうかは
関係ないらしい。


私は、二人で時間を作って会うのも、
手を繋いで歩くのも、その他色々と、
それは付き合っていて、恋人だから。
そうじゃないなら、しない。


彼は、私の100万倍、弁が立つから、
きっとすぐ、私の気持ちなんてかき消してしまう。
私が、彼に上手に自分の気持ちを伝えられるとは、
ほんのちょっとも思えなかった。
もう、何を伝えたらいいのかわからない。
もう、彼には届かない気がする。


私は、彼のことが大好きで、結婚できなくても大切で、
ホントに、老人ホームまで一緒が良かった。

何度もケンカして、それでもやっぱり彼が良くて、

彼もそう思ってるから仲直りするんだと思っていた。


だけど、そんな宙ぶらりんで半端な存在だったなんて
すごくがっかりした。


あーーー、今までって何だったんだろうって
力が抜けた。


韓国でマッコリを山ほど飲むのも、
ハレクラニのプールで読書も、
ブラックウィドウも一緒に観ようって言ったんだし、
TGIFだって、スノーボードだって、

今も本当は、一緒に行きたいなって思う。


でもだからって、よくわからない関係のまま、
不安なまま、中途半端な月日を過ごすより、
さっぱり諦める。
それは、何度も伝えたつもりだった。

愛し合ってなきゃ、嫌なんだよ。


私より彼のことが大好きで、私よりいい女なんて
世界中探したって見つからないと思うけど。


大好きだけど、もう嫌い。