四季
雑踏から急にしーんと二人きり。
高い所から綺麗な夕焼けに見とれて、
それはそれは綺麗でうっとりしたんだけど、
静かすぎて緊張する…
まだ私は彼と二人きりに馴染んでない。
彼が私に触るたび、ドキドキが止まらない。
どうしていいか、何か話題がないかしら?
「コーヒー飲む?」って聞いても、
いらないって言う。
もう大人だし、彼と長い間付き合ってるのに、
ホントに毎度、こういう時どうしたらいいの。
彼はベッドにゴロンと横になって、
私は隣りに座ったり、立ち上がってウロウロしたり。
いつの間にか陽はとっぷり暮れていた。
車の赤いテールランプの行列がゆらゆら綺麗。
けど、さすがに外の景色の話じゃ間がもたない。
彼はケータイに釘付け。
時々私を見て、普通の顔して、
「する?」とか言って、照れるじゃん。
そんなのしたいに決まってるのよ。
けど、ここから先どうすれば?
ドキドキしすぎて苦しくなって、
外に散歩でも行く?ってウラハラな提案をした。
そしたら、昼から焼肉食べてお腹空かない彼が、
サウナでさっぱりするか?って。
久しぶりに会えて、やっと二人きりになれたのに、
それじゃ、男と女で分かれてるじゃん。
バラバラに離ればなれになっちゃうじゃん。
けど、ドキドキを収めたい。
会ったばっかりだけど、いったん解散(笑)
夜の部に向けて、呼吸を整えるのだ。