Low

彼が構ってくれなすぎて、さみしいかも。


怒涛の繁忙期もゴールが見えてきた。

1年の半分以上が繁忙期。

そのあとは、次シーズンの売上目標に向かって

営業、訪問、勉強、育成…


売上、売上、売上。

なんてサイコパスな集団なんだ。


もう肩に乗る重荷がどっさりすぎて、

これ以上歩けないって弱気全開の時に。


会社の若者が、六本木のクラブ(大音量のほう)に

誘ってくれた。

「オールで酒飲んだら、逆に仕事の辛さが

薄まるっス」


発想がヤング過ぎて、共感できず(笑)

元気付けようとしてくれた気持ちだけ有り難く。

けど、行ったら意外とスッキリするのかな?


私の場合、彼と大人のバーに並んで座って、

彼がお酒飲むときのかっこいい横顔を見て、

こっちを見た時に目が合ったら、それだけで。


彼に聞いてほしい話がいっぱいあったけど、

だんだん忘れてきちゃった。

彼に会えたら、それがとどめになると思う。

嬉しくて、話のネタも全部吹っ飛んじゃうよ。


また一緒に旅に出たい。

また一緒に眠りたい。

私のこと、見てほしい。

彼の中にすっぽり収まりたい。

彼の話で爆笑したい。


こんな構ってモードは、

「面倒くさい」って怒られそう。

でも、会いたいんだもん。

我慢するのきらい。


ダーリン♡









Smoke gets in your eyes

今日何してる?って彼から急なお誘い。

次は2ヶ月後くらいかなって勝手な予想で、

前回は悲しい気持ちでバイバイしたから(笑)、

爆速タイミングで気分は最高潮(≧∀≦)


街は仕事から解放されたハッピーな雰囲気で、

私も仕事は放り出して、久しぶりに小さなバッグ。

身も心も足取りも軽く、翼が生えそう。


待ち合わせはお馴染みの鳥料理屋さん。

そこのカレーうどんが本当に美味しいの。

彼の山崎をまたちょっとだけ頂いた。

グラッとする味に目から星が出そう。

深い香りと濃い琥珀色が、渋い彼によく似合う。


初めてのバーにも、連れて行ってもらった。

彼も数年ぶりらしい。

小道に燈がぽっつり灯る、その奥に古びた階段。

ねえ、エレベーターで昭和に戻るの?

タイムリープのトンネルをくぐった気分になった。


入り口の背の高い店員さんが、彼の名を呼んだ。

すごくない?彼のこと、ずっと覚えてたみたい。

彼はどうしてこんなにたくさんバーを知ってるの。


彼らの会話を聞いていたら衝撃を受けた。

何年か前の私のジェラシー炸裂事件。

詳しくはアレだけど、その人のその後。

待って、彼がその人に会いに行ったって…


彼は私をじっと見て、彼女とは何もないよって。


あの件はちゃんと消化したんだ。

彼女のおかげで大人のオンナに成長させてもらって、

ありがとう、とまでは思えないけど(笑)、

自分の自信のなさとか、彼への依存心とか、

色々とちゃんと考えるきっかけをもらった。


そういうのも全部、今に繋がっている。


彼が葉巻に火をつけた。

私も彼の真似をして、口の中で煙をゆする。

そのままラムを舐めると、初めての味。

なんていうか、森の中にいる感じ。

こんなことを知ってる彼ってすごい。


次は手でグラスを覆って、煙を吹き込む。

葉巻で燻製ラムを作ってるみたい。

ねぇ、なんで。


その日タイムリープはしなかった。

けど、またひとつ、素敵な夜。

ずっと忘れたくない大人の時間。




煙が目にしみる / プラターズ