逆流
彼は、私が彼を責めているって言ってた。
そんなつもりはなかったつもりだったけど、
なかったつもりのさらにもっと奥に、
やっぱり彼を責めてる気持ちを見つけてハッとした。
彼は人の気持ちにとても敏感だから、
ずっと、私のそういうのを感じてたかな。
だから私が下向くと、「何か怒ってる?」って
いつも聞いてたのかな。
私は彼のポーカーフェイスをそのまま信じちゃって、
でも本当は、気まずい思いしてたかな。
せっかくLive Aidを送ってくれた彼の勇気を
私は。
嬉しかったのに、また責めた。
ごめんね。
どす黒いものを吐き出して、嫌い合って、
お互いがお互いにつけた傷は、きっと傷のまま。
私は見せていい自分だけ見てもらいたかったけど。
見たい彼だけ見ようとしてたけど。
そんなの彼には通用しなかった。
彼っていったい何なの。
こんなにぶつかっていいの。
どうして。
私をどんどん裸にして、見せたくないのに、
私も見たくもない、ドロドロの嫌な私を。
最初は真っ白で、その後は真っ黒。
いつか太陰太極図にみたいに混ざり合って、
傷跡も、二人の味に。
白も黒も両方で、二人で一つのまんまるに。
ダーリン。