lucky seven

父の7回忌だった。
もう7年て、なんてことだ。
父は令和を知らない。


彼は、父が亡くなった後の私を、
遅れてきた反抗期って表現していた。
それってまさにその通りだったって、
振り返ってみて、あまりにピッタリで、
彼は私のこと全然見てないようでいて、
理解してくれていたのかもしれない。


その反抗期もどうやら終わりを迎えたっぽい。


もう病気の父を思い出しても、怖くない。
もう、生前の父に対するモヤモヤは消えている。
何がキッカケかはよくわからない。
けど確実に、心の中が変わっている。


お墓参りに向かう道すがら、父が笑いながら
「よく来たな」って嬉しそうに言った。


子供の頃から父と過ごした実家も別宅も、
全部手放して、なくなってしまったから、
私が帰る度、そんなふうに迎えてくれてた事を
すっかり忘れてしまっていた。
家が全部なくなって、実は悲しかった。
もう今は、帰る場所がない。


色々な思いにフタをしていたのかもしれない。
そしてこの反抗期を過ごしていた。


父の笑顔は、歩いてる時に突然浮かんだの。


私が職場のおじさん達と楽しく仕事できるのは、
父のおかげ。
父が私を可愛がって育ててくれたから、
年上の男の人に壁を作らずに頼ることができる。


彼に、そんな話を聞いてほしいなって思った。
彼に父の話をするときは、彼に話してるけど、
父にも聞いてもらっているような、
彼のことを何年もたってもずっと好きなのは、
そういうところもあると思う。


父の娘に生まれて、本当に幸せだったんだ。
7年も経った今も泣いちゃうのは、
悲しいからじゃなくて、もっと違う気持ち。


ありがとう。



パパ  プリンセス・プリンセス