GREAT

職場復帰のひととき。


面識のない若い新人の男子たちが、
「初めまして、よろしくお願いします」って
並んで挨拶してくれてるのを見た同僚が、
「姐さん…」って爆笑していた。


20代の頃、めちゃくちゃ勉強した。
毎日早起きして自習室に引きこもって、
自習室が閉館する21時まで、ずっと。
その頃、大好きだった彼がいて、
結婚の話はしなかったけど、
はどんなの買いたいかとか、
家はどんな間取りがいいかとか、
ドライブしながら、よく話していた。


その彼は、いつの間にか、
バイト先の年下の女の子と、私と、
二股をかけていて、
発覚したその日に別れてしまった。


男は、若くて可愛い女の子が好き。
ガリ勉眼鏡の私はこわくて可愛くない。
一生懸命勉強して努力して、それが何だ?
その時は悲しくて頭の中が真っ白だった。
それでも勉強を続けた。泣きながら(笑)


フレッシュな新人を眩しく感じた。
私も、よく頑張ったなって思い出した。
山積み文献調査、英語に悶絶して、

エクセル関数がわからなくて目が真っ赤、
明け方のオフィスで辞めてやるー!って叫んだ。
机を並べて寝るのがいいか、
椅子を並べて寝るのがいいか、
真夜中に実験して同僚たちと転げて笑った。
そうやって頑張って、姐さんになった。


ずっと真っ黒だったオセロの盤上が、
パタパタと白に反転していく。
そんな気分。
力を抜けなくて、頑張ってしまった人生を
とてもとても愛しく思った。


私の周りは、ガリ勉眼鏡の男女で溢れていて、
華やかさは全くなし。
そういう環境を居心地よく感じるほど、
私もガリ勉眼鏡だったんだ。
こわくても、ブスでも、もういいの。


もっともっと刀を磨こうと思う。

不安もてんこ盛りだけど、もういいの。
きっと、これまでの私も喜ぶ。
未来は、今日の私が積み上がって出来ていく。