2018 matome 5

毎年12月はなかなか会えなくて、

会える日も決まらない。わかってるよ。

でも、付き合って最初の12月は

まだ最後まで至ってなかったから、

彼は予定もズラしたりして、

なんとか会おうとしてたよね。


今じゃ、

「会食入りそうだから、ズラしていい?」

って私より会食か…


「こんなにコロコロ変更されるのもう無理。

年内は諦める。めちゃ悲しくて泣いちゃうよ。

よいお年を、とメリークリスマス」


ゴネにゴネて、不貞腐れて、

そしたら会食はキャンセルしてくれて

けど、そのかわり年末のデートはなしって…

これ以上わがまま言うとシメられそうなので

これで手を打つことにした。


彼は連日の会食と忘年会で、肝臓がカチカチ。

そんな彼へのクリスマスプレゼントは、

大正漢方胃腸薬とかアミノバリューとかの

二日酔いお薬セットを豪華にラッピング。

期待して開封した彼の複雑な顔がウケた(≧∀≦)

→本当のプレゼントはもちろん他に。


彼からは、キラキラダイヤの指輪。

サイズを教えたことないのに、左手の薬指に

ピッタリだった。

婚約指輪みたいで、ドキドキした。

「甘いデザインがくるりんっぽいだろ」って。


嬉しくて、あと、ワガママ言ってごめんなさい

も込めて、彼にぎゅーっと抱きついた。

彼は、私の髪を撫でて、ほっぺも撫でて、

ニヤリと笑ってキスをした。


その後はお寿司屋さんのカウンターで

日本酒と香箱ガニ!!

ソトコを溶いた甘酢で頂く。

彼が仕事のメールしてる間にパクパク(笑)

ほとんど残ってない器を見つけた彼は、

カニ手(ピースのこと)で目潰しするぞって…


お寿司屋さんは地下鉄だと1駅分離れてる。

いつもはタクシーなんだけど、

今回は胃もたれしてる彼のため、

行きも帰りもがっつり歩いた。


しかも帰りは彼に、「襲うぞー!」

って追い掛けられて、捕まりたくなくて

私も全力で長い登り坂を駆け上がった。

暗い坂道でヒールの音がめちゃ響く。

日本酒飲んで、本気でダッシュして、

頭がぐるんぐるん、目が回る。


ぜーはーしながらまた手をつないで歩いて、

その時彼が言ってくれた事で泣きそうになった。


「くるりんはニコニコしてればいいよ。

周りに何て言われても、周りがくるりんに

求めることに応えなくていいよ。

日経新聞読んでなくても、くるりんの世界は

くるりんがニコニコ幸せそうに笑ってるだけで

うまくいくようになってるんだよ」


公道だけど(笑)、彼に抱きついた。

ちょっとだけキスして、また歩いた。

薬指の指輪が暗い夜道でキラキラ光る。


ベッドで寝落ちして、彼に起こしてもらった。

起こす時、彼はいつも私のほっぺを

トントンたたく。

慌てて起きて、帰る支度して、

眠くて目がトローンとしてる彼に

「良いお年を」って小さく挨拶。


彼はニヤリとして私を羽交い締めにした。

「タクシー乗った時と、家に着いた時、

必ずLINEしろよ。」


良いお年を、って言い合ったけど、

二人とも何となく年内にもう一回くらい

会えそうな感じ。

良いお年を、の本気度が小さかったもん。


会えるといいな。