号泣

彼とケンカ、というか彼に怒られた。


事の発端は、超かわいいピンクの。
前に彼とデートした時に見つけた。
すごくかわいくてめちゃ欲しくなって
でも迷って迷って迷ってた。
それを彼が。


本当に本当に本当に嬉しかったけど、
ブランドのロゴがどーんって入った
大きな紙袋を持って帰ることを考えて
ひるんでしまった。
その日は夫が家にいる日。
ちょうど夫に、「最近くるりんは全然
買い物しないね。欲しいもの買っていいよ」
って言われて、「今は特に何もない」って
言ったばっかり…
それできっと複雑な表情しちゃったんだと思う。


「俺が金持ちだからって、こういうの当然と
思ってないか?」


仲直りできないままの帰り道、
紙袋は重くて肩に食い込んで痛かった。
電話したけど、出てくれなかった。


私は、彼がお金持ちだから好きなわけではない。
本当に。
彼となら、ただ歩き回るデートだって嬉しい。
公園でコーラ飲むのもロマンチック。
狭いアパートで、彼とピトッてくっついて
毎日朝を迎えたい。
でもそれは、そういう事した事ないから
言うんだって。甘いんだって。


彼から言われた諸々は、図星で悔しいことも
あったし、それは違うってこともあった。


付き合って以来、最長のLINEを送った。
悲しかったこと、申し訳なかったこと、
彼への気持ち、二人のこれから、諸々。


彼はたぶんもう機嫌が直っていて、
いつもの彼らしい返事がきた。


今も、彼からのプレゼントは、私の部屋で
もらったままの袋に入って鎮座してる。
整理整頓が苦手で良かった。
他の物たちに紛れて、まるで前からそこに
そうしてあったみたい。


次会うときまでに、元気になって
彼に見せて、ありがとうって言いたい。
とっても嬉しかったこと、ちゃんと伝えたい。