D-2 Night

彼は、本当に細やかに優しい。

私がスノーボードの靴を履いてる間に

ロッカーからスリッパ取って来てくれたり

私の分の板もヒョイって持ち上げて

しまってくれたり。

ジャグジーのお湯ためてくれたり。


それでお部屋の中のモノの置き場も

キレイに整理整頓されている。


私のカオス見て、ウンザリしてたりして。

ドキっとして、ささっと荷物を整理した(笑)


ジャグジーでモフモフしたかったけど、

彼は先に出てしまった。

さらに、「ベッドで一人で寝てくる」って。


もしかして、私のことちょっと嫌い?

自分の心に不安の種を蒔いてしまった。

これ、一度蒔いたら勝手にどんどん成長するやつ。

気をつけよう。


book cafeていうのがロビーにあるらしい。

コーヒーでも飲もうかな…って調べて、

彼の様子を偵察に行くと、ほんのり起きている。

モフモフチャンス到来と思って、彼の横に

滑り込んだら、「さあ、起きるか」って。


やっぱり、私のこと嫌い?

私がくっついたら、嫌なの?

不安の種から芽が出て膨らんだ。

まずいぞ。


ソファで並んでテレビを観ていたら、

爆笑する私に「幸せそうでいいですね」って。

幸せだよ。

土曜日の夜に彼とテレビなんて、滅多にない。

土曜日の夜に彼といて、しかも外は雪で、

夜は一緒に寝られるの。

幸せしかない。


電話の着信に応える彼。

まただんだん険しい顔。

昨夜のマッコリボトル事件アゲイン。

もうやめて。

彼を悩ませるの禁止。

これ以上彼に悲しい顔させたら、

体育館の裏に呼び出すからね。

二人の夜の邪魔しないでー!!!


「ちょっと仕事するわ」ってまた

彼の世界に籠ってしまった。

画面に集中してる。


外は雪。家から遥か遠くの銀世界。

本でも持ってくれば良かったな。

次忘れずに持って来たいもの。

本、マッコリボトル、紅茶、入浴剤、イヤホン。


胃もたれの二人は夜ご飯をパス。

足の付け根が痛いって言ったら、

優しくマッサージしてくれた。

仕事で大変なのに。

考えることいっぱいあるのに。

優しくて泣けちゃう。


彼の邪魔したくなくて、先に寝ることにした。

きっと一人で色々考えたいよね。


二日連続、一人で広いベッド。

待ち遠しかった一緒に寝て一緒に起きるは

叶いそうもない。

でも彼の、あんな悲しい顔見ちゃったら

そんなこと言えなかった。


好きだよ。

元気になってほしい。

明日は彼と過ごす憧れのサンデーモーニング。