あっという間

お風呂の向きが、思っていたのと違って、

戸惑ってドキドキしてしまった。

大きな彼に、丸ごとくるまっている安心と、
彼とぴったりくっついている幸せ。
でも傷跡がばっちり見えてて、
恥ずかしかった。


彼が、私の傷跡に手を当てて、

ハンドパワーしてくれた。
大丈夫、時間かかっても治るよって。
その傷があることが恥ずかしくて悲しいのと、
彼の優しいのが照れちゃうし嬉しかったのと。


すぐには眠れそうもなくて、
ちょっとの間、腕枕してもらった。
その、彼が腕の中に迎え入れてくれる流れが、
すごく自然にピタっとできる感じが、
あー、長く付き合ってるんだなって、

昼間の緊張はどこ吹く風で、嬉しかった。

彼と一緒に眠れるの、本当に幸せ。


彼は、早起きできたら送るって言ってたけど、
そこは全く期待してなかった。

案の定、私の目覚ましに、うるさい!って

怒っていて、彼はねぼすけ(笑)


彼を諦めて、予定よりずっと早いけど、

帰ることにした。


お腹が空いたけど、お店はまだ開店前。

とぼとぼ歩きながら、ハッと気付いた。

昨夜お土産に頂いたのどくろおにぎりを

彼の部屋に忘れてしまった。

残念な気持ちで一人、キツネうどんを食べた。


昨日から、「あっという間だな」って、

バイバイする前から何度も彼は言っていた。

楽しい時間は、ホントにあっという間。


ありがとう。