秘技

彼にすごい技を披露してしまった件。

*体調が良くない人は読まない方がいいです。


立ったまま、夜のターミナル駅前にて。


焼肉をたくさん食べて、マッコリを飲んで、

とにかくお腹いっぱいではち切れそうなほど。

お店を出て、彼とフラフラ帰り道。

歩くと揺れて、ますます酔いが進む。

酔ってお腹いっぱいで今すぐ寝てしまいそう。


彼がストリートミュージシャンの前で止まった。

何か聞きたい歌ないか?って。

その時、ゴホンって咳が出たの。

もう一回ゴホンってした時に、

たぶんまだ胃まで到達してなかったさっきの。


秘技、マーライオン…


立ったままで路上で、彼の目の前で、

突然のリバース。

止められなかった(涙)


彼も、ミュージシャンも、ポカンとして、

私はびっくりして涙目。

すごく恥ずかしくて気持ち悪い。

どうしよう。


彼は、平然。

私には「大丈夫か?」っていつもの感じ。

固まってるミュージシャンには、おひねり。


「ごめんね、俺が飲ませ過ぎた」

そう言って、ミュージシャンと世間話。


汚いとか、うえー(→小学生…)とかじゃなくて、

私を後ろからギュウって抱きしめてくれてて、

おかげでしゃがみ込まずに立っていられた。

でもギュウが強くて、また気持ち悪くなったら

どうしよう…(笑)


あー、もう100年の恋もサッと終わる。

ま、100年もしてないけども。

なぜ今、このタイミング?

なぜ今日?

なぜ彼と一緒の日に?


けど彼は、「こんなの全然平気」って言う。


平気かもしれないけど、冷めるよね。

もう会いたいとか思ってくれないかもしれない。

嫌われたよね…


そしたら「ならない」って手を繋いで、

引っ張って歩いてくれた。

手、まだ洗ってないのに。


本当に普通に歩いてくれた。


何度も歯を磨いて、シャワーも浴びて、

彼とどんな顔して対面したらいいか、

もう酔って寝てるかな。


洗面所からチラッとのぞくとまだ起きている。

よーく洗ってから、彼に抱きついた。


笑ったりしないの。

からかったりしないの。

何でもないことにしてくれていた。


時々しか会えない彼との貴重な1回がこれ。


それからしばらく経って、

彼の白いズボンにも飛んでたって連絡をくれた。

洗ってキレイになったよって言われて、

またもう一回恥ずかしかった。

彼の高そうなスニーカーは無事だったかしら。


ごめんなさい。

飲みすぎ食べすぎに気をつける。

ここまで読んでくださった方にも、

ホントにすみません。

気持ち悪くなっちゃうよね。


しばらくしたらこの記事は削除。

黒歴史すぎる。

エスケイプ

外は陽射しが暖かそう。

ふと、彼の大きなリュックを背負った姿を

思い出す。


あの日も太陽はポカポカで、桜がきれいだった。


覚悟を決めて復帰したはずだけど、

プレッシャーが大きくて、緊張ばかりで、

その決心はグラグラ揺らぐ。

これでほんとに良かったのか。


彼は、焦って右往左往してる私を

この世に繋ぐ大きな岩。

会いたいよ。

どこでもドアがあればいいのに。


彼はきっと慌てない。

彼はきっとビビらない。

ホントはわからないけど。


日差しを見て、彼のこと思い出したら、

久しぶりにランチを食べる気力がわいた。


パスタを茹でてる間にブログを書いてるの。


キッチンで彼が思いきりパスタを曲げて、

小さな鍋で茹でたのを見て。


そんな風に茹でるなんて知らなかったから(笑)


今日も彼の真似をして小さな鍋でパスタを茹でる。

今日も彼の真似をしてお湯を少しずつ、

コーヒーを淹れる。


「適当でいいんだよ」


いつかの彼の言葉を大切に、今日も。