あっという間

お風呂の向きが、思っていたのと違って、

戸惑ってドキドキしてしまった。

大きな彼に、丸ごとくるまっている安心と、
彼とぴったりくっついている幸せ。
でも傷跡がばっちり見えてて、
恥ずかしかった。


彼が、私の傷跡に手を当てて、

ハンドパワーしてくれた。
大丈夫、時間かかっても治るよって。
その傷があることが恥ずかしくて悲しいのと、
彼の優しいのが照れちゃうし嬉しかったのと。


すぐには眠れそうもなくて、
ちょっとの間、腕枕してもらった。
その、彼が腕の中に迎え入れてくれる流れが、
すごく自然にピタっとできる感じが、
あー、長く付き合ってるんだなって、

昼間の緊張はどこ吹く風で、嬉しかった。

彼と一緒に眠れるの、本当に幸せ。


彼は、早起きできたら送るって言ってたけど、
そこは全く期待してなかった。

案の定、私の目覚ましに、うるさい!って

怒っていて、彼はねぼすけ(笑)


彼を諦めて、予定よりずっと早いけど、

帰ることにした。


お腹が空いたけど、お店はまだ開店前。

とぼとぼ歩きながら、ハッと気付いた。

昨夜お土産に頂いたのどくろおにぎりを

彼の部屋に忘れてしまった。

残念な気持ちで一人、キツネうどんを食べた。


昨日から、「あっという間だな」って、

バイバイする前から何度も彼は言っていた。

楽しい時間は、ホントにあっという間。


ありがとう。

夜の街

一人では決して行くことがない夜の街。
彼と一緒だと、探検気分で楽しく歩ける。
道を歩いている人も、日常では見かけない。
タクシーもたくさん往来している。


ビルの2階だったか3階だったか。
一見さんは入り口もわからなそうな。


扉を開けると、大きなカウンター。
おじさんとお姉さんが一組。
彼の席にはもう既に、彼のボトルが並んでいた。


「あれ、前に来たことあったっけ?」って
私のことを散々天然だって言ってたけど、
そういうことをサラリと言って、

別の女の人と来たのかなって想像させる、
あなたのほうが、非常に天然だと思います。


ここで頂いたのどくろの土鍋ご飯は、

もう一生忘れられないかもしれない。
美味しすぎて、あれから毎日思い出している。


彼と行くごはんは本当に楽しくて美味しい。
まるでおうちにお邪魔してるみたい。
彼は人と楽しく打ち解けるのが上手。
いいな。そういうところが素敵。


その後、有名な川に連れて行ってもらった。
一緒に写真を撮って、もう、嬉しい。
いつもはヒールの靴を履いているけど、
今日はフラットだったから、いつにも増して
彼の背が高すぎて、チュウも届かない。
しなかったけど。


100円でお尻をバッドで叩くっていう、
変わったことをしてるお兄さんがいた。
彼のブンって一振りが命中しすぎて、

お兄さんが飛び上がって痛がって、
涙が出そうに笑った。大丈夫だったかな。


その後もう一軒バーに寄った。
そこのお客さんたちも、酔って道端で寝てる人も、
客引きの人たちも、すれ違う若者たちも。
刺激が強すぎて、彼の手をぎゅうと握った。
彼もぎゅうっと握り返してくれて、
彼がいて良かった。
夜の探検は、これでおしまい。


部屋に帰ったら、一緒にお風呂に入ろうって。